【河村 尚登】印刷耐性のある強靭な電子透かしシステム
【河村 尚登】
印刷耐性のある強靭な電子透かしシステム
本発明は、空間周波数を限定したグリーンノイズ特性を有するクラスタードットパターンを利用し、デジタル画像データに透かし情報を埋め込む技術です。この方法では、視覚的に目立たない、印刷に強い耐性を持つ電子透かしを実現し、秘密鍵を用いて元の画像を復元することも可能です。これにより、画像の著作権保護やセキュリティ確保に新たな可能性を開きます。
電子透かしとは
電子透かし(Digital Watermark)とは、画像情報の中に目に見えない状態で情報を埋め込む技術です。専用のソフトウェアで埋め込み情報を読み取ることが出来ます。
印刷物からの電子透かしの読み取り
透かしの埋め込まれた画像をプリンタに出力した場合、透かし情報が読み取れないという事態が生じます。
無理に読みとるために強く埋め込みますと画質が著しく劣化します。このため、印刷/スキャン耐性を得るためには特別な電子透かしが求められます。
本技術の概要
グリーンノイズ特性を示すドットを画像データに拡散させた不可視型の高耐性電子透かしです。
グリーンノイズパターンは、そのスペクトルが空間周波数の高域と低域がカットされ、中間周波数のみに存在し、プリンタで応答性が高く、人の視覚系では低い応答性を示すように設定できます。
このため、人の目では埋め込みが視認されず、印刷物からの透かし抽出が可能となります。
このグリーンノイズパターンに異方性を与え、埋め込みビット“0”、“1”に対応させて、画像のブロック毎に埋め込みます。読み取りはスペクトル空間で、そのスペクトル形状を見て透かし情報の抽出を行います。
技術の特徴
・高耐性で、印刷/スキャン耐性がある。(スペクトル拡散法の一種)
・高画質である。(グリーンノイズパターンは視認され難い。また、ブロックの境界が視認され難い)
・可逆型である。(鍵により埋め込み前の画像に戻すことが出来る)
・安全性が高い。(画像毎にグリーンノイズパターンを変える)
運用形態
下図のように、著作権保護やAnnotationなどの応用が考えられます。
AIによる特許活用案
おすすめ出版業界金融業界セキュリティ業界
- 著作権保護
- セキュリティ強化
- 認証システム
デジタル画像や文書に透かしを埋め込み、不正なコピー行為や改変を防ぎます。
重要な文書や設計図に透かしを追加することで、情報の流出や改ざんを防止します。
透かし情報の抽出を認証プロセスの一部として使用し、デジタルコンテンツの真正性を確認します。
活用条件
- サブスク
- 譲渡
- ライセンス
商品化・サービス化 実証実験 サンプル・プロトタイプ
特許評価書
- 権利概要
出願番号 | 特願2017-077195 |
出願日 | 2017/04/08 |
発明の名称 | 電子透かし装置および方法 |
出願人/権利者 | 河村 尚登 |
公開番号 | 特開2018-182 |
登録番号 | 特許第6937007 |
特許取得国: JP
- サブスク
- 譲渡
- ライセンス
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#弁理士コメント
近年、NFTとしての絵画の売買がひろく行われていますが、デジタルデータであるNFTアートの特性上、現実の絵画を保護できていないというのが問題として捉えられてきました(「Burnt Banksy」の事件は記憶に新しいです)。この技術を活用すれば、デジタルデータでなくても実際の絵画に電子透かしを埋め込むことができるので、電子媒体でなくても非代替性トークンとしての活用ができる可能性が出てきたのではないかと期待しています。