本特許は、入射する電磁波の偏光方向に関わらず、一定のフィルタリング性能を発揮できる電磁波フィルタに関するものです。従来の電磁波フィルタは、電波の振動方向（偏光）に依存して透過率や遮断性能が変動し、通信機器や電子デバイスの安定性を損なう課題がありました。本発明では、基材上に複数の**分割リング共振器（SRR：Split Ring Resonator）を近接配置。各共振器は、外周側の第1分割リングと、その内側に同心で配置された第2分割リングから構成され、それぞれ異なる位置にカット部（開口）**が形成されています。さらに、リングの開口方向を360度を等分する複数方向（3方向以上）に分散配置することで、入射電磁波に対して等方的な応答を実現。これにより、どの偏光方向から入射しても一定の遮断性能を発揮でき、安定した電磁波フィルタリングが可能になります。本技術は、5G通信機器・電子機器筐体・高周波デバイスなど、電磁干渉（EMI）対策分野で広く応用が期待されます。

つまりは、リング共振器を多方向に配置し、入射方向に依存しない安定したフィルタリング性能を実現。電波吸収・反射を制御する次世代電磁波対策技術です。