本特許は、農業機械などに用いられる装軌車両（クローラ車両）の旋回時に畑を荒らさず、省エネルギーで小さな出力でも旋回可能とする制御技術に関するものです。従来、クローラ式の旋回は「信地旋回」や「超信地旋回」により実行されますが、この方式では左右のクローラが反対方向に動作するため、旋回力は強いものの土壌を大きく削り、畑を傷めるという問題がありました。本発明では、旋回制御部が装軌車両を目標旋回角度に到達させるまで、超信地旋回または信地旋回を制御します。しかし、旋回を一定の分割角度ごとに一時停止し、その都度、移動制御部が左右のクローラを前進または後退させる仕組みを導入しました。これにより、旋回動作の間に車両が土壌を滑らせることなく少しずつ移動するため、畑を荒らすリスクを軽減しつつ、効率的に旋回可能です。この技術は農業分野だけでなく、建設機械や林業用車両などにも応用でき、環境負荷を抑えた持続可能な作業を支える技術です。

つまりは、クローラ車両の旋回を分割制御し、土壌へのダメージを低減。小出力で効率的な旋回を可能にします。